筆者の属する環境では、電子メールソフトはオンライン・ソフトの Al-mail が事実上の標準メーラとなっている。ＭＳのアウトルックはセキュリティの観点から、安心して使えないこともあり、出来れば、別のメーラでメールの送受信は行った方がよい。Al-mailは、安価なシェアウェアであるし、また筆者が属する教育施設の関係者には無料であることなどから、これを推奨する次第である。
以下に簡単な操作説明を記すので、利用の手引きとされたい。
Al-mail の開き方
メールの受信
メールの送信
初期設定
アドレス帳設定
テキストファイルのメール送信
受信したメールの一部を引用して、相手に返信する
Al-mailによる添付ファイルの送信と受信
Al-mailで送受信したメールのＦＤへの保存
Al-mailの新規ユーザ登録
Al-mailで異なるメール・サーバへの新規ユーザ登録
パスワードの更新
Al-mailの引越
１ Ｗｉｎｄｏｗｓ95/98 の初期画面をデスクトップといい、そこに各種アイコンが表示されている。これは、ソフト実行ファイルのショートカットであり、これをＷクリックすることで、ソフトの起動が可能である。
Al-mailのアイコン（デフォルトでは、赤い郵便箱）をＷクリックする。
場合によっては、「電子メール」というフォルダ（黄色い封書のアイコン）の中に、数人分のメーラ・アイコンが、まとめて格納されているので、それを開いて、自分の名前を冠したアイコンをクリックすること。
２ 「パスワードを入力して下さい」というダイアログ・ボックスが開いて、パスワードを聞いてくるので、入力し、ＯＫボタンをクリック。
注意）設定によっては、システム管理者が、メールＩＤのパスワードを、半年ごとに更新するようにしていることがある。その場合、Al-mailでは、期限を過ぎても、メールボックスを開けるが、他の手段（ＵＮＩＸ端末から、直接、telnet するような場合）では、パスワードは期限切れとなっているので、パスワード更新コマンドで更新すること。くわしくは→こちらを参照のこと。
１ 受信はいたって簡単である。
Al-mailを起動させると、（初期設定では）「郵便受け」の画面が表示される。
（非表示の場合は、その名のバーをクリックして、「郵便受け」を全画面表示すること）
なにも設定しない状態では、受信メールが一覧され、開封したメールには、ノーマーク、未開封のメールには、封筒のマークが付されている。これをＷクリックすると、内容が開かれる。
２ 開封したメールを読み終えたら、右側のツールバーにある赤いドアのアイコンをクリックすれば、通常終了する。
もし、読み捨て不要なら、右から４番目にある「ゴミ箱」（緑色）のアイコンをクリックすれば、廃棄される。
（この際、環境設定がデフォルトなら、そのままメーラの終了と同時に削除される）
１ 送信も簡単である。
最初の画面の一番左のツールバーにある、手紙→のアイコンをクリックすれば、送信の画面が開く。
２ 送信時の注意事項
２−１ 題名は任意に入力する。誰が送信したか、相手には不明なので、判りやすい簡潔なサブジェクトにする。インターネットの世界では、日本語は出来るだけ使用せず（特に半角カタカナは絶対に避ける）、半角英数字を用いることを推奨する（学内ＬＡＮでのやりとりでは、この限りではない）。
２−２ 宛先は、すでにアドレス帳（後述）を設定していれば、ここでマウスで右クリックすると、階層構造のアドレス帳が展開表示されるので、該当する名前にカーソルを運び、クリックするだけで、自動的にあいてのアドレスが、宛先の項目に入力される。（この操作は、一触のことなので、マウス操作に不慣れな人には間違えやすい。くれぐれも、相手先の名前を間違えないように、留意されたい）
２−３ 本文は日本語を使って構わないが、ここでも半角カタカナは避ける（相手のメールソフトによっては、それ以降が文字化けする畏れがある）。初期設定で、題名と本文の項目において、日本語入力(IME)をオンにするようにしておけば、便利である。
２−４ 最後にポストに手紙を投函するアイコンをクリックすれば、送信される。
（いったん投函した電子メールは、パソコン通信のそれと異なり、訂正は効かない。送信する前に、もう一度、内容を確かめ、不適切な点がないよう、確認すること）
２−５ その他
Cc: は、同報メール（カーボン・コピー）を意味する。これは、相手先に、自分以外の人間にも、そのＩＤが明記され、同報メールが送信されたことを知らせる。
Bcc: は、Cc: と異なり、ブラインド・カーボン・コピーといい、相手先には、自分以外の人間に同報メールが送信されたことが判らない。これは、デフォルトの画面では出てこないので、メニューの「メール」から、「詳細設定」を選び、そこの Bcc: にＩＤを入力する（アドレス帳使用可能）。
シグネチャ（署名）は、「標準」をまず設定しておく。「メール」の「シグネチャ編集」で入力／設定できる。複数のシグネチャも設定可能なので、用途別にいくつか作っておくとよい（公用と私信に分けるなど）。
快適な通信環境のためには、それなりの事前の設定が必要である。まず以下のことを行ってほしい。
１ 環境設定
１−１ メニューバーの「ツール」→「オプション」をクリック。
１−２ オプションは、いくつかのタブ画面で分かれている。下図は、メールアカウントの画面。
ここでは、最初の設定で作成されたメールボックスのタイトル、ユーザ名、メールＩＤ、送信の際に送り手側のＩＤに付されるフルネーム（アルファベティカルが望ましい）、さらに、サーバ（POP3 および、SMTP サーバ）が入力ずみになっているはずである。
各種設定。まず、「受信」タブを開く。
下欄の「受信したメールをサーバに残す」にデフォルトではノーマークだが、これにチェックを入れると、サーバに受信メールがいつまでも溜まってしまい、サーバを圧迫するので、これは、チェックを入れないこと。
１−３ 送信に関する設定。
「送信」タブををクリック。
１−３−１ 送信の控え
「送信」で送信の控えを自動保存にする。
送信した内容は、そのままだと、Ａｌ−ｍａｉｌを終了すると同時に消失する。自分の送ったメール内容の控えを取っておきたいなら、この設定をしておくと便利である。
・１ あらかじめ、「送信箱」というフォルダが作成されているので、これを利用する。
・２ それ以外の名称のフォルダを作成する場合は、作業の前に、メニューバーの「フォルダ」をクリック。プルダウン・メニューから「新規作成」を選び、例えば「送信簿」という名のフォルダを作っておく。
・３ 「オプション」の中の「その他」をクリック。まず「終了時にゴミ箱を空にする」のチェックを外す。作成時に「起動時にパスワードを要求する」にはチェックが入っているはずだが、もし、掛に固有のメールＩＤの場合は、このチェックを外しておく。さらに、「終了時にウィンドウの状態を保存する」と「ポップアップメニューの機能拡張を有効にする」にチェックを入れる。
「その他」をＯＫし、「オプション」をＯＫして終了すれば、完了。
１−３−２ その他のフォルダ
フォルダとしては、他に「受信簿」を推奨したい。「郵便受け」に、どんどん既読メールを溜めておくのは、見栄えも悪いし、多くなってくると、収拾がつかない。
「受信簿」フォルダを作成して、既読メールは、ドラッグ＆ドロップで、そのフォルダに転送することが出来る。あるいは、１つ、ないし複数のメールを指定し（SHIFT キーを同時押下しつつ範囲選択すると、複数のメールが選択できる）、ツールバーの「移動」をクリックすると、設定したフォルダがプルダウンするので、その先から該当フォルダをクリックすれば、着信内容はそこに保存される。
なお、これらのフォルダは、Al-mail独自のフォルダであり、Ｗｉｎｄｏｗｓ標準のフォルダではない。エクスプローラなどのファイル管理ユーティリティで見れば判るが、Al-mailでは、１つのメール内容を、１つのファイルにして、保存している（他のメーラ――例えば Outlook Expressなど――では、まとめて全部を１つのファイルにしていたりする）。そして、１つずつファイルに名称を付けて、それを総合的な番地システムで管理している。フォルダを移動すると、内容はそちらに移動するが、ファイル名は変わらない。このメール・ファイルは特殊なもの(拡張子 .ALM)だが、内容はテキストファイルであるから、エクスプローラなどで簡単に中身が読める。秘匿すべき内容を、共有するＰＣで管理する際には、ファイルやフォルダにパスワードを設定するなりして、それなりの対応をとられたい。
また、32 bit 版になって、フォルダの設定もかわり、16 bit からのメール内容の移行は、まず不可能になった（32 bit 版から、同じ32 bit 版への移行――異動先の別のマシンに前のメール内容を移すような場合――は、わりあい簡単で、mailbox をまるごとコピーすればよいのだが、16 bit 版のデータは、アドインツールのAlviewer などで見るか、「知子のラブレター」などでＤＢに移行するなりして、見るしかないと思われる）。
Al-mailの機能に、マウス一つで相手の宛先が入力できるアドレス帳がある。筆者の属する職場では、システム管理者が、lib.adr （アドレス帳の拡張子は、.adr である）という職員用のアドレス帳を作って、毎年、更新しており、要望があれば、配布しているので、利用されたい。
１ 設定
・１ メニューバーの「ツール」から「アドレス帳」をクリック。
・２ 「アドレス帳」から「外部アドレス帳」をクリック。
・３ ダイアログ・ボックスが表示されるので、あらかじめ（エクスプローラなどで転送しておいた）「lib.adr 」という名のファイルをクリックし、「ファイル名」に入力する。ＯＫをクリック。
・４ 「アドレス帳」に「lib.adr」が入力されていることを確認して、ＯＫをクリックし、完了。
２ カスタマイズ
lib.adr 以外に自分用のアドレス帳を作成したいなら、エディタなどで、lib.adr のファイル内容を確かめ、記述方法をよく理解した上で、自分用のアドレス・ファイルを作成し、アドレス帳に追加するなり、差し替えるなりすること（ＰＣを共有している場合は、lib.adr は、差し替えてはいけない）。この際、lib.adr 以外のアドレス帳は他人のものなので、プライヴァシーに配慮のこと。
「ツール」→「アドレス帳の設定」で、追加などが可能だが、この画面での、lib.adr への追加は、あまり賛成できない（上手くいった試しがないのである）。自分用のアドレス帳は、自分でファイルを作って作成するのが、一番早い。記述方法は、下記の要領である。この内容を、例えば、tanaka.adr 等とファイル名を付けて保存し、Al-mail のフォルダに格納し、上記の方法で追加すればよい。
SEPARATOR GROUP その他 ＭＬ ＰＣのML: xxxxx@pmb.biglobe.ne.jp 知己 田中一郎 : ichiro.tanaka@nifty.ne.jp 山田花子 : hana@lib.kyushu-u.ac.jp END GROUP SEPARATOR
すでに他のワープロ・ソフトやエディタで作成したテキストファイル文書があることを前提に、その文書をメール本文中に読み込んで使う時は、下記のようにして行う。
・１ 送信の画面でメニューの「ファイル」から「カーソル位置に読み込み」をクリック。
・２ ダイアログ・ボックスが表示されるので、ドライヴの▼ボタンをクリックし、該当ファイルのあるドライブに換える（ＦＤ内に格納していれば、ＰＣ９８なら、Ｃ等のドライヴ、ＤＯＳ／Ｖなら、Ａドライヴである）。
・３ 左側のファイル一覧のウィンドウから先に作ったファイルを選択し、Ｗクリックすると、その文書が本文に読み込まれる。
・４ 題名、宛先を入力し、送信ボタンを押下し、送信完了。
●同じ内容の文書を、部分（冒頭ヘッダ）だけ変えて送信する時は、これを数回、くり返すだけで可能なので、便利。ただし、全く同文ならば、宛先をコンマで区切って、複数の宛名を指定する方がよい。
しかしながら、Ｗｉｎｄｏｗｓに標準装備されている、カット＆ペースト機能を使った方が早いような気もする。次のショートカットキーは、Ｗｉｎｄｏｗｓでは（95/98/98SE/Me）全てに共通なので、憶えておいて損はない。
CTRL + A ：全部を範囲指定
CTRL + C ：範囲指定した箇所をコピー
CTRL + V ：範囲指定してコピーした内容を貼り付け（ペースト）
CTRL + X ：範囲指定した箇所を削除（切り抜き）
CTRL + Z ：直前の操作をやり直し
電子メールの効用の一つに、データのカット＆ペーストにより、処理の簡略化が図れることが上げられる。相手のメールの内容（の一部）を引用符（>>など）を付けて引用し、それにレス（レスポンス＝返事）するのは、メール操作の一形態にさえなっている。Al-mailにも、その機能がある。活用されたい。
・１ 受信した画面で、引用したい箇所をマウスで範囲指定する。
・２ ツールバーの左から２番目の手紙アイコン（横向きのU字型の矢印付き）をクリック。
・３ ダイアログ・ボックスが表示されるので、「選択範囲のみ引用」をチェック（必要なら、「引用記号」を「>」から他の記号に変え（筆者は、「>>」を愛用している）ＯＫをクリック。
・４ 送信画面に引用文がペーストされた状態で開く。
デフォルトでは、環境設定で「〜さんは書きました」というヘッダが付く。これは、不適当な場合は削除する。設定次第で、英文にすることも出来る（ちょっと気障）。
以下に返信の本文（レス）を書いて、必要なら、題名や宛先に修正を加え、あとは送信ボタンをクリックして、送信完了。
●よく、全文を引用してしまう人がいるが、これは避けて貰いたい。自分の文章を、もう一度、読ませられるのは、一般には不快であるし、全文を引用する、という行為自体が、エチケット違反である（ろくろく読んでないような印象を与える）。全文を引用した後、１行「了解しました」などというのは、言語道断である。だいたい、全部を引用されると、どの部分へのレスだか判らない場合もあるので、是非、必要最低限の引用につとめられたい。
もっとも、これは、Ｗｉｎｄｏｗｓ標準のメーラであるアウトルックが、そういう仕様であるため、デフォルトで使用して、なにも知らずに、そのまま使っているから、という人も多い。アウトルックは、セキュリティの観点から云っても、あまり推奨できるメールソフトではない。世界中のクラッカーが攻撃目標にしているので、プレヴュー機能だけで感染するウィルスもある。アウトルックを使わないよう、心がけたいが、どうしても仕方ないときは、デフォルトの設定を換えて、まず、ＨＴＭＬメールを外し、テキストメールにし、さらに、返信に際しての、全文テキスト引用のチェックを外すことを、お奨めする。
通常の電子メールでは、テキスト・ファイルしか送信できないが、Al-mailはヴァージョンアップ（1997/4/24 当時）によって、16ビット版でも、BASE64(=MIME)対応となり、相手のメーラの如何に関わらず、支障なく、バイナリファイルを添付ファイルで送受信できるようになった。
その後、32ビット対応版になり、いっそう安定して添付ファイルが送受信可能となった。
★バイナリ・ファイルとは、一太郎、ワード文書ファイルや表計算ソフトのファイルなど、要するに、ＭＳ−ＤＯＳのTYPE コマンドで内容が読めないファイル全てである。特定のソフト以外では、可読不能である。
・１ メニューの「ファイル」からプルダウン・メニューの「ファイル添付」を選択。
ダイアログボックスが開くので、「追加」をクリック。
ファイル選択画面から、任意のファイルを選んで、クリック。フルパスで、ファイル名が設定画面に記述される。
エンコード形式は、デフォルトの「base64」で、たいていの場合ＯＫである（マック・ユーザにも対応している。しかし、古いメールソフトを使っているマック・ユーザが相手の場合は、念のためにBinHex で送信した方が無難かも知れない）。
「分割して送信する」は、通常、チェックしない。大きいファイルの場合は、必要かも知れないが、２ＭＢ程度なら、学内ＬＡＮ内では、数秒で送れる。それ以外の場合、相手がＬＡＮ（専用線）使用できないと判っている場合（自宅でダイアルアップの電話回線利用など）は、そんなに大きいファイルを送るべきではない。
最後にＯＫをクリックし、送信画面から送信ボタンをクリックする。
展開先のパスを聞いてくるので、適宜、指定する（デフォルトでは、Al-mailのフォルダ内になる）。ＯＫをクリック。
展開した旨、表示が出る。あとはエクスプローラ等のファイル管理ユーティリティで中味を確認等のこと。通常は、送信の際に圧縮されるので、必要ないのだが、たまに、LHA や ZIP で圧縮したファイルを添付してくる人がいる。それは、それなりの解凍ソフトで復元すること。
Al-mailでは、受信したメールはＨＤＤ内に１ファイルとして自動的に格納される。
ユーザ環境設定で、サーバ上にコピーを残すことも可能（推奨しない）だし、またゴミ箱に移すことも出来る。さらに初期設定しだいで、送信文書を任意のフォルダに控えを持つことも可能であり、受信した任意のメールだけ、振り分け機能で、個別のフォルダに振り分けることも出来る。しかし、次第に煩雑になる上、バックアップの意味でも、重要なメールは各自のフロッピーに格納して整理する方法をすすめる。
・１ 任意のメールを選択（カーソルで青く反転）。
・２ ツールバーのメニューから、フロッピーの形のアイコンをクリック。
・３ ダイアログ・ボックスが表示されるので、ドライヴ名の▼ボタンを押下して、ドライヴを選択（ＤＯＳ／Ｖ機は、a: がＦＤＤに固定されるので、ＰＣ９８ユーザは留意のこと）。
・４ ファイル名の、*.txt を、バックスペースかデリートキーで削除し、任意のファイル名を入力。ＯＫボタンをクリック。これで、ＦＤへメール内容が格納される（予めＦＤを入れておくこと）。
★複数のメールを選択し、同一のファイル名で保存することも可能である。SHIFT キーを押下しつつ、クリックすれば、一連のメールを複数選択できる。
★なお、オンライン・ソフトで、Al-mail内容を、バックアップしたり、あるいは「知子の情報」用のファイルに加工したりするものがある。各自、自分の好みの方法で、バックアップをされたい。
★１つのＰＣから別のＰＣに移行する時（異動時など、数年に一度はあるはず）、以前のＰＣにあったAl-mailのメールボックスの内容を、新しいＰＣのそれに全面的に移植するのは、かなりのスキルを要する。特に、一人だけで使っているならともかく、共有している場合は、大変である。（別項にて詳述したい）。また、16ビット版から32ビット版への移行は不可能である。内容は、バックアップをとって、一覧するようにするしかない（その意味でも、「知子の情報」ファイル化は、有効な方法である）。
なお、Al-mail のファイル容量が大量になると、ＦＤでは収まらなくなる。その際は、リムーバブル媒体などで、バックアップされたい。最近では、どの部局も、複数台のＰＣをネットワークで使用していると思うので、各ＰＣのドライブを、ファイル共有の設定にしておけば、該当ＰＣに、リムーバブル媒体が接続していない時でも、別なＰＣから、ネットワークを介して、ファイルをまるごとリムーバブル媒体へとコピーすることは簡単である（同じ支線ＬＡＮ内でないと、できない芸当だが）。お試しあれ。
さらなる＜裏ワザ＞としては、フリースペースのアカウントを取得し、自分だけのＷｅｂサイトの無料スペースを持つ、という手がある(笑)。通常は、そうした仮想スペースは、個人のＷｅｂサイト用に提供されるが、Ｗｅｂページを作るだけが、そういうスペースの利用法ではない。Yahoo ! や Infoseek など、検索エンジン系や、ＭＬ系など、さまざまな無料のサービスがネットにはある。まず、それらのフリースペースを１つゲットしておく（この場合、職場のメールアドレスでやると、ろくでもないダイレクトメールが陸続と来るので、フリーメールのアドレスを別途、取得して、それでフリースペースのアカウントを取ることを推奨する。無限メアドなどと組み合わせると、あれやこれや、匿名性の高い利用法が可能である）。
次に、Al-mail のバックアップ・ファイル（だけでなく、ある程度、まとまった容量のファイルが貯まったら、それでもいいのだが）をアーカイヴ（まとめて圧縮）して、フリーのｆｔｐソフトの FFFTP などで、そのサイトに転送するのだ。本学のＷｅｂスペースと異なり、そうしたフリースペースでは、ftp 転送に制約もないため、いつでも、どこからでもアクセスが可能である。将来的に、ギガビットになるという、アカデミックなＬＡＮ環境にあれば、家庭での常時接続ブロードバンドどころではない、恵まれた環境にある、と云ってよいので、これを利用しない手はない。異動した先で、自分のサイトからダウンロードして、メールボックスを再構築すればよい。
それ以外にも、いろいろなケースで、結構、使えるワザである。ただし、あまり厖大なファイルを、いつまでも置いておくと、不法アクセス防止法等に抵触する、と誤解されて、最悪、アカウントの取り消しや、そうでなくても、リンクされていないファイルは削除される畏れがあるため、利用が終わったら、さっさとファイルは削除しておくこと。
Al-mailは、マルチアカウントといって、１つのソフトが、複数のＩＤに対応している。
だから、同じ実行ファイルで、複数の人間がＩＤを登録し、個々のメールボックスを持つことが出来る。その要領を以下に略記する。
・１ あらかじめ、エクスプローラなどのファイル管理ユーティリティで、新規ユーザ名のフォルダを、Al-mailフォルダ内に作っておく。
・２ なにもないデスクトップ画面で、右クリックし、表示されたメニューから「新規作成」→「ショートカット」を選ぶ。
ショートカットの作成
コマンドライン
c:\almail\almail.exe c:\almail\新規ユーザ名
次へ
上記の新規ユーザ名をフルパスで入力し、「次へ」をクリック。
ショートカットの名前
新規ユーザ名
完了
上記の新規ユーザ名を入力し、「完了」をクリック。
・３ フォルダを右クリック。
メニューからプロパティを選ぶ。ショートカットの画面でアイコンの変更／郵便箱を選択して、ＯＫ。
・４ 画面のアイコン（フォルダ）をクリック
メールボックス選択
メールボックスのパスを選択して下さい
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
新規ユーザ登録
上記で、メールボックスのパスを選択せず、「新規ユーザ登録」をクリック。
新規ユーザ登録
メールボックスを作成するパスを指定して下さい
c:\almail\新規ユーザ名 ＯＫ
上記で、パスを（フルパスで）入力し、ＯＫをクリックして完了。
・５ その後、ユーザ環境設定にユーザ名とアドレス名（c:\almail\新規ユーザ名）を入力／ＯＫ。
★これらの作業は、Al-mailの32 ビット版（Ｗｉｎｄｏｗｓ95/98）から、直接、ファイル管理ユーティリティで、almsetup.exe をクリックすることで、可能になった。しかし、いくつか不具合もあるので、上記のことを知っておいて、損はないと思われる。
筆者の環境では、全職員のメール・アドレスは、将来、一元的にシステム管理担当部局が、管理・運営したいとの方針案を出しており、これにともない従来のメール・アドレス（各部局単位での支線ＬＡＮ管理者や、情報基盤センター＝旧・大型計算機センター下のもの）と、平行して、異なるメール・サーバへのアクセスが必要となることが考えられる（将来的には、漸次、一元化される）。
ここでは新規ユーザ登録の際に、異なるメール・サーバの設定方法を略述する。
１ 設定
まず、Ｗｉｎｄｏｗｓ95/98 環境では、インターネット関連の設定は全て、「マイコンピュータ」→「コントロール・パネル」→「ネットワーク」→「ネットワークの設定」→TCP/IP （のプロパティ）において、統括的に支配される（例えば、Netscape Navigatorや、IE 等のブラウザも、ここでの設定により起動時に支配下のアクセス先にゆく）。
もし、プロパティ内のＤＮＳ設定を、現在、部局所属のものにしており、将来、現在のものと異なるメール・サーバに変えていくなら、これを設定変更しなければならない。
★重要
ただし、この作業より前に、各人のメール・ボックスを開き、Al-mailの「オプション」→「ＬＡＮ環境設定画面」で、「個人の設定として保存する」のチェック・ボックスにチェックを入れておくこと。
・１ 手順
TCP/IP のプロパティでのＤＮＳ設定で、まず「ＤＮＳを使う」を選択。
ホスト ＊＊＊
ドメイン xxx.xxxshu-u.ac.jp
ＤＮＳサーバの検索順 ***.*.***.*
と入力、ＯＫする。
注意）細かい設定値を、オンラインで公開するわけにはいかないので、知りたい方は、当方あるいは、システム管理者にメールなり架電にて問い合わせのこと。
・２ 次に各個人の新規ユーザ登録は通常通り（前述 al-mail の設定マニュアル1996/9/25日付け文書 を参照）だが、４以降に若干の違いがある。
画面のアイコン（フォルダ）をクリック
メール・ボックス選択
メール・ボックスのパスを指定して下さい
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
新規ユーザ登録
上記で、パスを選択せず、新規ユーザ登録を選択する。
新規ユーザ登録
メール・ボックスを作成するパスを指定して下さい
c:\almeil\新規ユーザ名 ＯＫ
上記で、パスを入力し、ＯＫをクリックして完了。その後――、
ＬＡＮ環境設定
POP3 サーバ名： ***.*.*.*
SMTP サーバ名： ***.*.*.*
自分のマシン名： ****
タイムゾーン：+0900 ＯＫ
□個人の設定として保存する
上記で、POP3 および SMTP サーバ名を自分の（現在、使用している）サーバのものに変更する。個人の設定として保存する にチェックを入れ、ＯＫをクリック。
以上の作業によって、異なるメール・サーバ環境において同じAl-mailのソフトを他人と共有しつつ、各個人のメール・ボックスを持つことが出来る。
この際、ユーザ環境設定で、パスワード入力は、全ての作業が終了してからやること。
ＵＮＩＸのメールＩＤの設定では、一部で、半年ないし１年で、自動的にそのＩＤのパスワードが失効するようにしてあるものがある。
パスワードを頻繁に変更するのは、セキュリティ上、必要かも知れないが、それも各人の自由意思によるのが至当で、このような仕様は、よけいなお世話だとは思うのだが、その時々のシステム管理者によって、そういうふうに設定された以上、パスワード更新が必要になることがある（というのは、Al-mailを使っていると、このことが意識されない場合もあるためで、非常事態で telnet 接続しようとしたり、あるいは、新たな環境で設定し直す時に、この問題が顕在化する、という例が多い）。
パスワードの設定は、ＵＮＩＸのコマンドで行う。
Kterm を起動してもよいが、今では、Ｗｉｎｄｏｗｓマシンから、可能であり、そちらの方が簡単なので、以下、略記する。
Ｗｉｎｄｏｗｓのスタート→「ファイル名を指定して実行」で、次のコマンドを入力する。
telnet 133.5.xxx.xxx (あえて伏字(笑)。このIPアドレスはメールサーバなので、システム管理者に聞くこと）
すると、つぎのような画面が展開する。
UX/4800 (lsv0303) (pts/3)
login: xxxxx ← ここに自分のログイン名を入力
Password: ← ここに自分のパスワードを入力
失効したパスワードでは、当然ながら、撥ねられる。すると、次のような展開画面となる。
ここでは、例として、ログイン名をhogehoge、旧パスワードをhoge001とする。
要するに、失効した（旧）パスワードを一時的に変更し、さらにパスワード変更コマンドにより、もう一度、もとのパスワードに戻すわけである。
login: hogehoge
Password:hoge001 ← これは実際には表示されない。
UX:in.login: ERROR: Your password has expired.
UX:in.login: TO FIX: Choose a new one
Old password:hoge001 ← これも実際には表示されない。
New password:hoge777 ← これも実際には表示されない。
Re-enter new password:hoge777 ← これも実際には表示されない。
UX/4800
lsvxxxx
Copyright (c) 1997 NEC Corporation.
Copyright (c) 1993 UNIX System Laboratories, Inc.
(a wholly-owned subsidiary of Novell, Inc.)
Copyright (c) 1987, 1988 Microsoft Corp.
All rights reserved.
UX:csh:ERROR:set: No match.
lsv0303% passwd ← ここでパスワード変更コマンド（passwd）を入力
UX:passwd: INFO: Changing password for hogehoge
Old password:hoge777 ← これも実際には表示されない。
New password:hoge001 ← これも実際には表示されない。
Re-enter new password:hoge001 ← これも実際には表示されない。
lsvxxxx%
最後に、exit コマンドで、telnet を終了させる。
これによって、失効したパスワードを復活させることが出来る。むろん、失効した段階で、別なパスワードに変更して、それを使うことも自由である。Al-mailでは、拡張子.alm のテキストファイルで各メールを管理しているため、読もうと思えば、いつでも内容はガラス張りである。フォルダそのものにパスワードでも付さない限り、安全ではない。セキュリティ面から云うと、パスワード変更は、定期的に行った方がよいと思われるが、まぁ、面倒であるし、最近では、一つのフロアで、メール端末を１つにして、みんながそれにアクセスする、というような状況ではなく、一人に１台ずつＰＣが配備されているようだから、本人さえよければ、別に、そう頻繁にパスワード変更する必要はない、とも思われる。
あとは、各人の意思にゆだねたい。
異動あるいは、従来つかっていたマシンの換装などによって、Al-mailを別のマシンに引っ越しする必要が出てくる場合があります。
こうした際に、出来れば、それまでの設定や、フォルダなど、そして蓄積したメール内容まで、いっぺんに新しいマシンに移動できれば――しかも、それほど手間をかけずに――新しい環境で、すぐさま、今まで通りにメールを使うことが出来ます。
そのためには、少しばかり、工夫がいります。
まず、最初に、Al-mail16 ビット版から、32ビット版への移植は、無理だと思って下さい。コンバートツールがあるのですが、筆者の経験では、成功した試しがありません。旧版を使っていたなら、この際、ヴァージョンアップ版にして、新規まき直しでやるのが一番です。
さて、引っ越しの前準備ですが――、
mailbox ごと、LHA なりZIP なりで圧縮しておきます。これを、そのまま、新しいマシンにコピーするわけです。
ここで、問題になるのは、古いマシンから、いかにして、圧縮ファイルを新しいマシンにコピーするか、ということと、新しいマシンで、どうやって、受け皿を作るか、という２つです。
まず、古いマシンからのデータの吸い出しですが、もし、該当マシンと新しいマシンが（距離が離れていても）同じＯＳで、Ｗｉｎｄｏｗｓネットワークに対応しているならば、ファイル共有で、アクセスし、ファイルをｆｔｐでゲット出来ます。
しかしながら、ファイル共有は、最近のウィルス感染状況を考えると、危険が大きいので、推奨はしかねます。
では、そのマシンにＣＤ−Ｒ／ＲＷドライブが付いているか、付けられる場合（USB 対応のドライブが、最近では、１万円台でありますから、部局で購入するなりして、入手が出来ると思います。さらに古い機種で USB 接続が不可能ならば、SCSI 接続という手があります）、圧縮ファイルをお皿（ＣＤ−Ｒ／ＲＷ媒体）に焼いてしまう。これなら、650ＭＢありますから、普通にメールを使っている人なら、圧縮しなくても、丸ごと焼いてもＯＫかも知れません。ＣＤ−Ｒ／ＲＷメディアは、通常にディスクアトワンスで焼けば、あらゆる（古いＣＤ−ＲＯＭしか読まない）ドライブでも、読み取り可能ですから、これは、汎用性が高い方法です。
しかし、ドライブがない、とか、接続できない、という場合もあるでしょう。その際は、ちょっと裏技ですが、無料で提供されているフリースペースを使って、（本来、Ｗｅｂページをアップロードするための、そのディレクトリに）圧縮ファイルをｆｔｐ転送してしまう、という手があります。無料でも、最近では、数ＭＢから、ところによっては、100ＭＢを越えるスペースをサービスしてくれるところがありますので、アップルやジャストシステムのi-Disk などの基本サービスほどの容量がロハで手に入れられます。これだと、メールボックスの内容程度なら、軽くアップロード可能です。
フリースペースに関しては、ネット検索すれば、いくらでも出てきます。次のサイトが、参考になるでしょう。→こちら。
ｆｔｐ転送ツールは、Vector でも窓の杜でも、たくさん、アーカイヴされています。フリーウェアでは、FFFTP などが使いやすいでしょう。筆者は、シェアウェアのNextFTP を使っています。フリースペースへの接続が、あらかじめ登録されているので、たいへん便利です。
こうしてアップロードしたファイルを、今度は、新しいマシンで、ダウンロードするわけです。ブロードバンド環境では、どちらも、数分とかからないはずです。
２番目の問題が残っています。
どちらかというと、この方が面倒ですが、慣れれば、大したことはありません。
新しいマシンでの前処理、ということになります。こちらに、まず、Al-mailをインストールしておきます。ヴァージョンは、前のマシンで使っていたものと同じにしておく方が無難です。
インストール方法ですが――、
新しいＰＣに（これは、前のマシンと同じドライブ名、同じパスにして下さい）、ふつうに Al-mailをインストールします（デフォルトでは、「C:\Program Files\Almail32」というサブフォルダになるはずです）。そして、前に使っていた自分のと、同じアカウント名のサブフォルダを作成します。
次に、Al-mailの「almsetup.exe」をクリックし、新規追加アカウントを選択します。
実行ファイルは、「almeil.exe」です。
Ｗｉｎｄｏｗｓ９８やＸＰなど、ロングファイルネーム対応ならば、例えば――、
"C:\Program Files\Almail32\almail.exe"
となります。
いったん、画面にもどって、ディスプレイ上で、新規ショートカットを作成します。パス名は――、
"C:\Program Files\Almail32\almail.exe" "C:\Program Files\Almail32\username"
となります（「username」には、自分のアカウント名のベース名を入れます。上記は、Ｗｉｎｄｏｗｓ９８の例ですが、ＸＰでも、デフォルトでは同じです。
これで準備が整いました。上記に述べた、新規アカウントの項目を参考に、新しいマシンに自分のアカウントを作り、そのmailbox に、先に移植準備をしておいたファイルを上書きします。フォルダ構造を間違えないようにします。
これで、一度、起動させておけば、完全に、移植ができます。
注意点は、引っ越しの作業が終わるまでは、Al-mailが要求する、「メールの送受信」を行ってはいけません(その時点で届いたメールが、上書きの際に、行方不明になってしまいます）。