つらく、苦しかった。

祭壇に乗せられた生け贄には、もう抗うすべはないのだと、思いしらされるのだ。

イリスがおとなしくなったのを感じて、クラーク・ダリは頬をよせてきた。潤んだ瞳を隠そうとする瞼に接吻してから、首筋、喉元、そしてすべらかに、少年のものとも、少女のものともつかない、なめらかな胸元に指をはわせ、彼は淡色に舌をつけてきた。

「あ――…」

次の瞬間、はじめての感触に、イリスの身体が大きくのけ反った。そこを逃すまいと、押さえ込まれ、さらに舌で愛撫された。

花びらのように滑らかであった淡色の中心に、かすかに、舌先にひっかかる突起が生じてきたのを、クラーク・ダリは感じ、イリスの肉体が反応しはじめているのを知った。

ゆっくり、執拗に、その胸の突起を男の舌は愛撫した。

やがて、イリスの抵抗が弱々しいものに変わる。彼の肉体のどこかで、抵抗をやめようとする、甘い、うずきがあった。

しかし、クラーク・ダリの愛撫がさがり、腿を撫でられて、ゆるりと奥へ入り込むと、イリスの喉から悲鳴がほとばしった。

そのイリスを力づくで押さえ、クラーク・ダリはすべりこませた腕で無理やりに足を開かせた。

「いやッ――」

イリスの、男と女が微妙に入り組んだ、秘密の花園がひらかれる。クラーク・ダリは、その聖地に指で触れた。

イリスが悲鳴をあげると、優しくなだめて、少しだけだといい、やがて、指先でその少女の花弁を左右にくつろげ、ひらいた。

淡い、淡いまでのローズピンクの花弁がひらかれて、つんと可愛らしい形の少年があらわになる。

そこに触れると、イリスはひどく狼狽し、悲鳴をたて続けにはなった。

「ここが、感じるのだろう？」

「ヒ……ぁ――……」

剥き出しの宝珠は、与えられた刺激の強さにたえられないとばかりに、戦いた。

「少し、勃起してきたようだな」

慈しむように言いながら、クラーク・ダリはまさぐりはじめた。

だがそれは、イリスにとっては、傷口に指を入れられるようなものだ。

「やめて……赦して――クラーク・ダリ……」

クラーク・ダリを押し退けようともがいたが、次の瞬間に、指ではない、違う、滑った感触をあたえられて、イリスは、ふたたび喉の奥から悲鳴を放った。

クラーク・ダリが指先で花弁をひらき、その中心に息衝く宝珠を下方から舌先で舐めあげたのだ。

「あ……あッ……、あッ……いや……」

舌先がからみついてきて、先端の、神経が集中している部分を刺激するように吸われると、イリスは泣き声をたてた。

「や……めて……」

はじめは、その刺激が痛みをともなったが、すぐに、その痛みは、信じられない、認めたくない、肉体を熱くするものにかわった。

どうにかして逃れようと抗ったが、肉体のほうがいうことを聞かなくなっていた。

甘い、とろけるような甘い感触がその部分からわきおこり、イリスを苦しくさせた。痒みにも似た、いいや、もっと違う、もっと、淫らなうずきをともなう感触に、イリスは翻弄された。うわ言を口走った。

その激情がゆっくり引いてゆくと、イリスは心を乱してしまい、瞳から涙をあふれさせた。

「悦(よ)かったのかい？　それとも、無理やりにこうされたことが悔しくて泣いているのか？」

クラーク・ダリは、イリスの花弁のなかに、そっと、指を差し入れようとした。

「あ――…」

「どうした、痛かったか？」

指は先端が入り込んでいる。イリスは、はじめて、身体のなかに異物を感じた。

「やめて……」

顫えながら、哀願した。

「濡れている……感じたんだね？」

「赦して……」