月夜見エクリプス　

「10年ぶりの新作」とカヴァーにある。
自分でも驚いたことに、これは掛け値なしに本当だ。
その間、特にサボっていたわけではないのだが、諸事情で、なかなか新作を持続的に書いて、それを本にまとめる状況になかったのだ。
ということで、この2年間ほどで3000枚ほど書いた内の一つが、この801である。

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街場の不良少年タツヤは今、「始末屋」をしている。
その始末の仕事の際に、偶然、知り合った少年ミナミは、だが人知れぬ闇と謎を抱いていた。
タツヤを知って、たちまちミナミは恋に落ち、二人の愛は強い絆となる。だが、同時にミナミの背後にある得体の知れない勢力が蠢動を始める。
ある日、ふいに失踪した愛する少年ミナミを追うタツヤ。謀略組織・公調と取引したタツヤは、ついに単身、北関東某県にある、一つの市まるごと宗教団体の支配下にある都市に向かい、その宗団の中枢に潜入するが……。

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801では黄金のパターン(笑)にのっとり、801の王道を野阿梓が描くと、嗚呼、それはしかし、一般の801にはならず、単に「野阿梓が書いた、耽美綺譚」にしかならないのであった(^^;ゞ。
――というわけで、これはSFではない。じゃあ、純正801かと言われると、それも困る(笑)。
ただ、ジャンルを問わず、読書が好きで、さらに極上の文章で、耽美的な世界を描いて、少年たちの美しくも烈しい愛の世界を味わいたければ、この一册を購い、読むがよい。ヴィンテージの芳醇な香りに満ちた美酒にも似た、蠱惑の陶酔が、今宵、貴女を微酔せるだろう。
著者本人が保証する。これは、そういう特別な人たちに向けて書かれた、ニッチでエッチな逸品なのだ。
心ある人、ならびに腐女子、貴腐人ならば、迷うことなく、買うべし(笑)！

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Last Updated: 2018.10.04

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